実証前のデモ版・個人開発

となりの畑セーフティ
(仮称)

農薬・液体肥料のドローン散布について、散布前の周知・確認と実施後の記録を、散布する人・周辺の農家・自治体/JAが同じ地図の上で共有するしくみです。

茨城県笠間市周辺を想定しています。画面に出てくるほ場や散布の予定は、すべて架空のサンプルです。

1背景と課題

国のガイドラインは、すでに事前の周知を求めています

散布区域の周辺に有機農業のほ場・学校や病院等・家屋・蜜蜂の巣箱がある場合、実施主体はその農家・管理者・居住者・養蜂家へ、次の4つを十分な時間的余裕をもって知らせることとされています。

  • 1散布の日時
  • 2使用目的
  • 3使用農薬の種類
  • 4実施主体の連絡先

さらに、天候等で日時が変わった場合は、改めて知らせることも求められています。

農林水産省「無人マルチローターによる農薬の空中散布に係る安全ガイドライン」(令和元年7月30日 元消安第1388号)第2の2。原文の語は「情報提供」。消費・安全局長通知であり、罰則を伴う法律上の義務ではありません。

問題は、この周知が実際にどう行われているかを確かめる手段がないことです。実施状況を示す統計はありません。一方で農林水産省や自治体の資料には、周知が不足していたと考えられる飛散事故や、連絡のない散布についての相談事例が報告されています。

連絡と記録の面で、次の課題があると考えています。

このアプリが「しない」こと

  • 散布してよいかどうかを判定しません
  • 自治体・JAが散布を許可したように見せません
  • 被害の原因や責任の所在を決めません
  • 散布する方を監視・取り締まるためのものではありません
  • 気象の予報を、現地の実測の代わりにしません
  • 周辺の農家の情報を、必要以上に公開しません

2しくみ

  1. 1

    計画する

    散布者がほ場・日時・資材・機体を登録します。航空写真の上で周辺のほ場、距離、風下の方向を確かめ、気象の予報を取り込みます。

  2. 2

    地区へ知らせる

    地区ごとのLINEオープンチャットへ、アプリが作った文面を投稿します。周辺の農家はアプリを入れる必要がありません。都合の悪い方は電話等で直接連絡でき、その内容も記録に残ります。

  3. 3

    散布し、記録する

    散布前のチェック、飛行ログ(軌跡・散布範囲・飛行高度)、実施後の報告までを、一つの案件としてまとめて保存します。

  4. 4

    地域として把握する

    自治体・JAは市町村と日付で予定・実績を一覧できます。苦情や問い合わせを受けた際に、その案件の記録を書類として出力できます。

3それぞれの立場でできること

散布する人

農家・防除受託者

計画の登録/周辺のほ場・距離・風向と気象の確認/地区への周知/飛行ログと散布高度の確認/実施後の報告・防除履歴の出力。自分の作業を振り返り、「きちんとやった」ことを示す記録になります。

周辺の農家

有機・農薬不使用・収穫前など

自分のほ場と、配慮してほしい事情(有機・農薬不使用・収穫の予定・養蜂など)の登録/情報の公開範囲の設定/周知の受け取りと、散布者への返答。

自治体・JA

地域として把握する立場

市町村・日付ごとの予定と実績の集計/周知が未了・確認が必要な案件の抽出/案件ごとの航空写真と作業内容の確認/記録の書類出力。

4現在の段階

公開デモ(登録不要) tonari-hatake-safety.pages.dev

笠間市周辺の架空のデータで、3つの立場の画面をお試しいただけます。プロフィール画面で立場を切り替えられます。ドローンメーカーとのデータ連携、飛行中の位置の取得は未実装です。

将来的には、いま地域のどこで散布が行われているかを、関係する方が地図の上で共有できる状態を目指しています。問い合わせを受けた際に、どこの作業かがすぐ分かるようにすることが目標です。

5開発にあたっての課題

実証に入る前に、確かめなければならないことが残っています。